厳かな東京都内の流鏑馬に美学を感じる

人混みを抜けて現れた、公園に敷かれた走路。伝統行事が絶えず息づく場所で、初めて目にした東京都内の流鏑馬が始まる。

端に立つと、視界を切り裂くように駆け抜ける躍動感が、肌のすぐ裏側を風が撫でるように身体を貫いてく。合図が出されると、視線が一気に走路へ集中する。

砂利を蹴り上げる蹄が織り成すリズムは、まるで大地が息を弾ませるようだ。腕と腰、鞍下で蠢く筋肉が同期し、わずかにスローモーションとなる感覚を引き起こす。

刹那、張り詰めた弦が放たれ、空気を切る音が耳に鋭く突き刺さる。的板へ突き刺さる衝撃は、鼓膜の奥で二重に反響し、観客席から感じる鼓動と重なる。

手すりに手を添えたまま呼吸を忘れ、東京都内の流鏑馬で次走を待つ。合間で整備するスタッフにも目を奪われた。

竹箒で走路をなぞる動きに無駄がなく、厳かな雰囲気を際立たせる要素となり、遠隔地で見た賑やかな行事とはまったく異なる、美学を教えてくれた。

終わってもまだ耳に残る、余韻を確かめるように、窓越しで揺れる景色をぼんやりと眺めながら、東京都内の流鏑馬会場から家へ向かう。